アメリカからオートバイ(250cc未満)を船便で日本に持って帰るの巻(アメリカ出発編)
早速ですが、マウンテンバイクを国際便で持って帰ったの巻に続き、今度は日本にオートバイを船便で持って帰ったのでプロセスを書いてみたいと思います。長文となるので、ご了承ください。(2019年3月時点の情報)
バイク購入当初から、日本への帰国の想定をしていた
アメリカで日本車を買って日本に持って帰るということは、輸送費用を考えると当然日本で買うより高くつく場合が多いと思います。そうなるとアメリカでいかに安く購入するか、で損得した気持ちが大きく変わってきます。
もちろん、日本で買うことのできないビンテージ車であればお構いなしかもしれませんが・・・。
私はバイクを買うぞ!と決めてから半年間ずーっと毎日ネットでSale情報を探して、Deal of the Dayでお得にバイクを購入できました。(セコイ??)
また、日本に持って帰ってから車検などの手続き(コストも)が大変なことは予想されていたため、250cc未満のバイクしか買わないと初めから決めていました。
そんなわけで前々から欲しかったKLX250を購入。これを日本に持って帰ると逆輸入のKLX250ということになりますね。
ガス検に焦る
しかし、買った後に、車検の他にガス検というのもあるという話を聞き、「なんだそりゃー!」と焦りに焦りました。
ネットで探しまくっても確実な情報がなく・・・。アメリカの日系の輸送会社に聞いてもよく分からないという返事しか返ってこなくて確実な情報が分からない。
最終的な手段として、帰国したのちにバイクを登録する予定である陸運局に国際電話して聞いたところ、250cc未満のバイクはガス検が必要ないとのこと。ほっとしました。
参考までに。。。
カリフォルニアの排ガス基準は厳しいともいわれていて、このバイクにもカリフォルニア仕様の何らかの装置がついているらしいんです。また、マフラーはUSDA(森林管理している行政)の認可を得る必要があり、このマフラー(オリジナル)にも許可の打刻がされています。(FMFとかに変えたかったんですが、カリフォルニアでは売らないってWEBサイトにかかれていたので、今回は諦めました。)
オフロード専用エリアに入るときはマフラーの検査を受けます。
日系の車やバイクを専門に扱っている輸出代行業者を見つけた(遅くとも日本でバイクを受け取りたい日の2か月前)
そして、ここから大変な思いをしました。一体誰にお願いしたらよいのか分からないし、どこからどこまでを依頼し、どれ位のコストがかかって、その価格が正当なのか見当もつきません。
あらゆるサイトや情報を探しました。そして輸送に関する基本的な知識を頭に叩き込んで、どこからどこまでをお願いしたい、というハッキリとした依頼方針を決めました。
<基本的な方針>
- 出来る限り低価格
- 多少の傷は気にしない
- アメリカではバイクを輸出業者さんの倉庫まで自分で運ぶ
- 日本では自分で通関手続きは行わない
- 日本の港から自宅までは陸送をお願いする
日本で通関手続きや陸送の一切を業者さんにお願いした理由は、自分でやる時間がないことと、もし乗って帰るとしても仮ナンバーの取得など、とても大変だからです。特にアメリカ在住者の場合は住民票が日本にないので、仮ナンバーなんて取れるかどうかも分からず、調べる気力もなかったので、陸送をお願いするほうが精神的に楽と判断しました。
そして、ようやくロサンゼルス近郊のトーランスにある業者さんを見つけて、次のステップである書類作成に入ります。
Commercial Invoiceの作成
よくわからないが、Commercial Invoiceというのをワードで作成しました。フォーマットは決まっていないらしく、下記の内容が記載されていれば大丈夫だそうです。
- 日付
- Shipper (送り主)今回は私本人
- Consingee(送り先?)今回は私本人
- 送るもの(今回はバイクのことで下記情報が必要)
- Make(メーカー名)
- Model(モデル名)
- VIN(車体番号)
- Quantity(数量)
- Unit Price(単価)
- Total Price(総額)
- 送る人のフルネームとサイン・日付
※上記はあくまで自分が作った時の情報です。各自しっかりと自分で調べてください
バイクを「どノーマル」に戻す
もしバイクに付属パーツがあれば、その分もCommertial Invoiceに記載しないといけないらしいのです。これも面倒なので、バイクを「どノーマル」の状態に戻して、付属パーツは付けませんでした。また、日本でのバイク輸送には「高さ制限」があるとのこと。ミラーが高さ制限にギリギリ引っ掛かりそうなので、念のためミラーを外して自分で持って帰ることにしました。
日本に上陸したバイクを陸送業者さんが運べない、という事態になったらかなり面倒くさいので、念には念をいれて・・・。
DMVにて「バイクを輸出します」という手続きをした(REG32)
REG32というのは、どうやら「もうバイクをカリフォルニアで乗らないから、Registration Feeの更新のお便りを送らないで」という申請らしいです。
このREG32 Certificate of Exportationを申請するには、Title原本と自分のIDを持っていく(カリフォルニアのリアルID)必要がありました。すなわち、Tilte原本を持っていく=輸出業者さんにTitle原本を渡す前にDMVに行く必要があります。
DMVのことを知っている方なら予想がつくと思いますが、だいたい無茶苦茶混んでいて、Office Visit事前予約も2か月先くらいになっちゃいます。船便の出港に間に合わせるためにはアポなしで行くしかない。ということで行ってきました。
そして早朝DMVに到着。後ろで並んだオジサンに「昨日は別のDMVで8時間待たされたよ、ここは2時間くらいで済みそうだな」とのこと。2019年以降は免許証を行政に認められるID(Real ID)とするためには免許証を作り直さないといけないので、今になって人が集中しているのだろうか。
2時間以上待たされて、ようやく番号を呼ばれて、窓口の人が、「Export?今までそんな手続きやったことないわよ~」とのこと。
しかし、そんな対応は大体予想がついていたので、あらかじめネットで探して記入しておいたREG32を渡して、Title原本、免許証(リアルID)も見せたら「ボスに聞いてるわ~」ということで数分待ったら、「大丈夫、You are all set。ところでジャパンに帰っちゃうの?アメリカ嫌いなの?」と聞かれたくらいで簡単に終了。(Title原本は絶対に持って帰ってくること)
輸出業者さんの必要書類に記入する
だいたいどこの業者さんも似通っているかもしれませんが、Power of Attorney (委任状)、Release of Liability(免責同意書)みたいなものに記入します。
ここで焦ったことが、下記内容も確認しないといけないとのこと。
- ガソリンが抜かれていること
- オイルが漏れていないこと
- バッテリーが絶縁されていること
オイル漏れな無いし、バッテリーなどはケーブルを外せばいいのだが、ガソリンを全抜きするのは大変だな~と思っていたが、輸出業者さんの倉庫でガソリンを抜くことができるらしい。よかった・・・。
輸出業者さんの倉庫までバイクを持っていく、もしくは取りに来てもらう
いよいよバイクを持っていきます。
1、バイクを業者さんに取りに来てもらうか、
2、バイクに乗って行ってUberで戻ってくるか、
3、トレーラーで持っていくか
の選択です。
バイクで乗っていっても、バイクを置いた後にUberで帰ってくるのも金がかかる。金銭的に一番いいのが、いつもお世話になっているU-Haulでトレーラーを借りてバイクを自分で運んでいくという選択となりました。
※当然ですが、トレーラーを付けるには自動車にトレーラーヒッチ(接続器具)が付いている必要があります。
輸出業者さんの倉庫に到着し、必要書類の最終確認
倉庫に到着してバイクを運び入れると、驚いたことに倉庫には出荷を待つ名車がゴロゴロ・・・ゼッツーやヨンフォアとか・・・(写真が撮れずに残念)
業者さん曰く、最近は中古ビンテージバイクをEbayで買って日本に輸出する人が増えているとか。しかしTitleがしっかりしていなかったりで、トラブルもあるとのことなので、検討している方はご注意を。
さて、すべて書類が準備されていることを確認し、Title原本を渡します。そして日本で到着時の連絡方法などの相談をして簡単に終了。バイクとはしばしのお別れです。
突然の「米国税関検査実施」の連絡
後日、輸出業者さんから「米国税関検査実施のため、コンテナがホールドされ、スケジュールが遅れる」との連絡がありました。詳しい内容は開示されないため、ただ待つしかない。
そして数日後、無事コンテナがリリースされたとの連絡あり。この検査はランダムで行われるらしい。しかし、今回この検査で検査費用が$300弱追加される。くそー!と思うが仕方ない。ちなみに輸送スケジュールは2週間ほど遅れることとなった。
以上、アメリカからバイクを船便で輸出するの巻でした。「日本到着編」に続きます。
※上記の情報は2019年3月時点の情報です。ご自身で輸送をされる方は、必ずご自身で情報を確認してください。